未来につながるSDGs-GLineが実現できること。

第7回研究会。未来につながるSDGs-GLineが実現できること。
「持続可能な開発目標(SDGs)(エス・ディー・ジーズ)」についてお話したいとおもいます。

今日は農業の未来を研究する上でとっても大切な「持続可能な開発目標(SDGs)(エス・ディー・ジーズ)」についてお話したいとおもいます。
三浦所長、最近よく言葉を耳にする「SDGs」って、どういうことなんですか?

世界中の人たちがみんな幸せに暮らせるように、世界の国が集まって、2030年までに達成する17の目標を決めました。この17の目標のことを「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」と言います。すべての人に平等な機会が与えられ、地球環境を壊さずにより良い生活を送ることができる世界を目指して、世界中が努力することが約束されたんですね。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf
(外務省パンフレットより)

世界の目標というと、偉い人たちが解決する問題のように遠く感じるけれど、私たちにはどう関係していくんですか?

私たち – 特に将来世代のみなさんが食料に困らずに、そして自然環境を守りながら健康に暮らしていけるために取り組むことも1つのSDGsへのアクションと言えます。とっても身近で大切なことですよね。そこで農業の未来コウジョウ研究所では、GLineの活動で達成できるSDGs(エス・ディー・ジーズ)について一緒に考えていきたいと思います。

SDGsは遠くの世界の話ではなくて、私たちひとりひとりが取り組もうとすることが大切なんですね!GLineの特徴と共に、SDGsについて、17のどの目標達成に当てはまるか、お話してください。

では、ひとつずつ見ていきましょう。まず、GLineのプラントでの野菜(食料)生産は四季の変化や天候に左右されることがないので、生産量が安定します。これは世界の食を支える上でとても大切なことです。SDGs「目標2:飢餓をゼロに」は、飢餓(長い間食べられず、栄養不足になること)をなくし、すべての人が食料を安定して得られ、栄養状態がよくなるようにすること、そのために持続可能な農業を進めていくことを目標にしています。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf
(外務省パンフレットより)

GLineの植物工場は、省スペースで可能・天候に左右されない点で、目標2で強調されている下記の具体的な目標(ターゲット)達成に向けて未来の安定した食料確保の有効な解決策の一つになりうる、と考えています。

【下記、目標2のターゲットより抜粋】
・2030 年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害 に対する適応能力を向上させる。
・持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf

生産性を向上できれば、植物工場を運営する農家さんの収入を増やすことができて、より持続可能で安定した生産体制をつくることができますね!

そうですね!
次に目標3を見てみましょう。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf
(外務省パンフレットより)

「目標3:すべての人に健康と福祉を」は、何歳であっても、健康で、安心して満足に暮らせるようにすることを目標にしています。この実現のためには、私たちの自然環境を守っていくことがとっても大切です。目標3で強調されている目標(ターゲット):2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質および土壌の汚染による死亡および病気の件数を大幅に減少させる、を実現するため、GLineでは晴れた日は太陽光からのエネルギーを使用し、少しでも大気汚染を減らせるようにしているんです。

GLineの太陽光エネルギーの様子

SDGsは人々の未来の働き方についても目標を定めているんですよ。目標8を見てみましょう。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf
(外務省パンフレットより)

「目標8:働きがいも 経済成長も」は、環境を悪化させないように経済成長を進めながら、すべての人々のための持続可能な経済成長、生産的な雇用やディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をできるように推進することを目標にしています。

重労働からの解放や、若者の新規就農、福祉施設などでの雇用創出が可能な、GLine:植物工場での農業は、高齢化にも対応しながら、未来の新しい雇用を担うと考えています。このような視点から、福祉施設での導入を検討されている事例もあるのです。目標8で強調されている下記の具体的な目標(ターゲット)達成に向けて、新たな働き方の選択肢としての植物工場での生産が普及していくことを目指したいですね。

【下記、目標8のターゲットより抜粋】
・生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性、およびイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進する。
・2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性および女性の、完全かつ生産的な雇用およびディーセント・ワーク、ならびに同一労働同一賃金を達成する。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf

プラント工場での野菜生産が実現できることって、たくさんあるんですね!

長くなりますが、もう少しみていきましょう。「目標12:つくる責任 つかう責任」は、生産と消費を持続可能な方法で行っていくことを目標にしています。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf
(外務省パンフレットより)

毎年世界で生産される食料の約3分の1が消費されずに捨てられていると言われています。GLineでは必要に応じた生産量の調整が可能なことや、養液中の酸素が多い状態で育てており、長持ちする傾向があるため、捨てられる食べ物の量を減らすことができます。

未来まで持続可能な方法で食料をつくり、食料を長持ちさせていく工夫も大切な活動だとわかりました!

自然環境や気候変動への対策を考えることも、大切なアクションですね。「目標13:気候変動に具体的な対策を」は、気候変動やそれによる影響を止めるために、すぐに行動を起こすことを目標にしています。GLineは気候変動への適応として、安定した食料提供を実現できることが強みだと思います。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf
(外務省パンフレットより)

SDGsの基本的な考え方は、”誰ひとり取り残さない” No one will be left behind. すべての人のための目標の達成をめざし、もっとも脆弱な立場の人々に焦点をあてていることです。

5つのP – People, Planet, Prosperity, Peace, Partnership
人間、地球、豊かさ、平和のための目標。国際社会のパートナーシップにより実現をめざします。https://www.unicef.or.jp/sdgs/concept.html(unicefホームページより)

自分たちが食べるものは自分たちの手で作ることが、再び求められる時代が来るかもしれません。それが実現できる生産背景の選択肢が増えれば、「地球上のみんなのしあわせ」な未来につなげていくことができるのではないかと考えます。

GLineでは、プラントでの栽培を通じて未来の農業が持続可能な形になっていくような研究をこれからも続けていきます。
農家さんが農法を「選択できる」、私たちが食べるものを「安定していただくことができる」、未来のしあわせのために。

今日はGLineの事例を見ながら、たくさん「SDGs」を勉強できました。ありがとうございます。

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