第一回研究会スタート!ゲスト料理開拓人 堀田裕介さんと工場見学

農業の未来コウジョウ研究所。記念すべき第一回は、これまでたくさんの食材を手にされてきた料理開拓人の堀田さんにぜひ来てほしい!研究所からの熱いオファーをお送りしたところ、快く研究所に来て下さいました。今回はなみえも心待ちにしていた堀田さんと一緒に工場を見学したときの様子や、料理開拓人の視点からいただいたアドバイスなどをみなさんにお届けしていこうと思います。

こんにちは。研究所のみんなとも仲良くなってきたリクガメのなみえです。毎日おいしく野菜を食べて、夏も元気に過ごしています。今日はなみえも会ってみたかった、うれしいお客さまが。「食べることは生きること 生きることは暮らすこと」をモットーに、様々な地域の食を探求し、生産者と生活者を繋いでいる料理開拓人の堀田裕介さんです。

研究所長の三浦です。この研究所では野菜を1年を通じてより楽しんでもらえるための研究をしていきます。これから農業をはじめるひとにとっても、お野菜を食べるひとにとっても、日本の農業の未来を持続可能なものにしていきたいんです。

今日は普段なかなか見れない植物工場を見学できるということで楽しみにしていました。ぜひYou Tubeを観てくれているみなさんにもお伝えしたいので、動画を撮影しながら見学をしていきたいと思います。

これは植物工場の養液タンクになります。ここで必要な養分を水道水に混ぜて育成室(工場)に送っています。phとEC値は24時間コンピューターで管理していて、範囲内を超えると規定値におさまるようにコントロールしています。「酸素ファイター」を完全にというしくみで酸素濃度を高めています。

phは水溶液中の水素イオン濃度のこと、EC値はカルシウムやマグネシウム、カリウム等のような養分濃度のこと。これらや酸素濃度を管理することで、お野菜にしっかりと栄養がいきわたるようにしてるんですね。

いよいよ堀田さんが工場内に潜入!その様子は堀田さんのYou Tubeチャンネル「YouTube Kitchen」でお楽しみください!

工場見学の様子

堀田さんに、工場内のルッコラでマヨネーズソースをつくってもらいました!サラダチキンにあえると、フレッシュでとってもおいしそう。コンビニで買える材料で簡単につくれるうれしいレシピですね!

せっかくなので、堀田さんとゆっくりお話をしていこうと思います。まずは堀田さんからご質問などあればぜひお願いします。

工場野菜の特徴って何ですか?

クリーンルームで土を使わず栽培するので、虫がつかず、農薬も使いません。きれいな野菜ができます。1年中おなじ環境でできるので、生産ロスがなく、路地栽培よりも10%ほど栄養価も高いんです。雨が多い中でも安定して同じ品質でできるんです。

長雨とか台風の影響を受けることもないところも工場野菜の魅力ですね。農薬をつかっていないので、洗わなくてそのまま調理しても大丈夫なんですね!

はい!そのまま調理してOKです。そして工場野菜は露地栽培よりも短い期間で育てられるところも魅力です。

私からも質問です!堀田さんにとって、どんな野菜を植物工場で育てたら工場野菜の可能性が広がると思いますか?

ハーブやスプラウト、食べられるお花など、農園で作ると収穫時期が限定されますが、通年で栽培できる工場栽培は、高級料理店などからも需要があると思います。

工場野菜をより付加価値のあるものとして、マーケットをつくっていけたらと思います。そのために必要なことは何だと思いますか?

「工場野菜」という名前を変えてみるのもひとつのアイデアですね!自然派と対比して、食べ物の工場のイメージが残念ながらあまり良くないとおもいます。ネガティブなイメージが先行して、今日お聞きしたような野菜の魅力が伝わりきらないこともあると思います。特にオーガニックが好きな人にはいくら内容がよくても、購入する選択肢に入らないのではないでしょうか。例えば、「クリーンルーム野菜」と言われると、印象が変わりますよね!

ありがとうございます。わたしからも質問です。私が出荷を担当しているスーパーで販売するときも、露地栽培の野菜との差別化をして魅力を伝えるのがむずかしいところです。何か工夫できることはありますか?

言葉がジャンルを作っていくと思います。売り場ではパッケージでしか価値を伝えられないから、先ほどお話したように工場野菜に代わる名前をつくってしまうのはどうでしょうか?そして使う人にとってのメリットが直接ラベルに書かれていることも、<選ばれるパッケージ>のために必要な要素ですね!たとえば、〇週間長持ち、栄養価が10%高い、など。目に入るラベルの色や形も重要だとおもいます。

私も質問させてください。今日工場でみてもらった野菜で、つくってみたいお料理はありますか?このメニューにむいているよ、というお料理があれば教えてください!

生春巻きをつくってみたいですね!よりシャキシャキ感がわかる、よりはじける食感をたのしめるお料理になると思います。

めずらしい野菜を栽培しても、使い方がわからないという声もあるのですが、工夫が必要ですよね。

毎日お料理をつくる必要がある主婦のみなさんは、レシピがイメージできないと購入をしないと思います。例えば、レシピのリーフレットなどを野菜を販売している場所に一緒に置いてもらうというのも効果的だと思います。

今日は堀田さんにいろいろなお話を聞くことができて、なみえも勉強になりました!今後、工場で野菜を育ててくれているパートさんともお話してもらっても、さらに楽しい意見交換ができそうですね!彼女たちのセレクトで、工場内には実はいろんな音楽が流れていて、野菜たちも様々な音を聞いて育っています。

工場内で音楽があるだけでまた雰囲気がかわりますね。音楽を聴きながらクリーンルームで働くというあたらしい働きかたは最新な感じがしますね(笑)

まだまだお話を聞きたいのですが、本日はこのあたりで。ありがとうございました!You Tubeでは堀田さんと三浦所長の工場潜入の様子、ルッコラをつかった堀田さんのオリジナルサラダのレシピも紹介されているので、ぜひご覧くださいね。

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