第五回研究会。小規模でスタートできる植物工場?!

今回の農業の未来コウジョウ研究会は「もっと植物プラントを知ってみよう!」シリーズ。いつもおいしく食べているお野菜をつくるプラントについて、なみえも意外と知らないことがたくさん。そこで、研究所・所長の三浦さんと、副所長・前川さんにあらためてインタビューしてみることにしました!

今回の農業の未来コウジョウ研究会は「もっと植物プラントを知ってみよう!」シリーズ。いつもおいしく食べているお野菜をつくるプラントについて、なみえも意外と知らないことがたくさん。そこで、研究所・所長の三浦さんと、副所長・前川さんにあらためてインタビューしてみることにしました!

まずはプラントを始めるときに必要なスペースについて質問です。
「省スペース」ではじめられるというのは、どのくらいのスペースが必要ですか?

商業化するためのミニマムのサイズ(広さ)は約100㎡(平米)です。つまり、真四角だと約10m×10mの空間ですね。実はプラントは、真四角よりは6:4くらいの空間(棚を長くとって、1つのユニットの長さを15m程度にすること)をおすすめしています。わたしたちのプラントも、約6m×16mで2列配置しています。プラントに加えて、エアーカーテンや倉庫、断熱材などの設備がその周りに必要なので、だいたい130㎡くらいあれば手洗いの設備などもいれて施工できます。

なるほど!広さのイメージがつきました。でもどうやって、省スペース(つまりスペースを節約)をして、効率をあげているのですか?

野菜の成長に合わせて、畝(うね)の列を調節できるオリジナルプレートを開発しました。最初は5列でレイアウトするなど省スペースで育てることができます。これによって、既存の植物工場より約30%小さいスペースで、同じ栽培量を確保できるのです!同じスペースでは、既存の約1.3倍の量が収穫できる計算ですね。

より小さい場所で効率をあげられる工夫があったんですね。

いつもなみえにお野菜を食べさせてくれる前川さんに質問です。以前、「空き家や空き倉庫なども有効活用できる野菜栽培プラント」と話してくれたけれど、建物は木造じゃないといけない、などの条件はありますか。

活用する建物は、鉄骨でも、木造でも可能です。プレハブ式のものも施工可能ですよ。雨風をしのげていたらOKです。建物について気をつけないといけないのは、耐荷重。プラントに使用する溶液を入れると重たくなるので、施工時に確認が必要ですね。確認は、農業の未来コウジョウ研究所のメンバーたちがお手伝いできるので、心配しなくても大丈夫ですよ!

建物の2階にプラントを施工しようとするときには、建物の構造面の確認も必要ですが、鉄骨なら大概大丈夫なことが多いです。1フロアーだけよりも、2フロアーある建物だと、2階から1階に溶液を自然におろすことができるので、2フロアーの建物での施工がおすすめです。もし1階にプラントを作りたい場合は、一部地下を掘ってピットを作り、そこに溶液タンクを設置することになります。

なるほど。建物によって溶液のめぐり方が変わるんですね。植物プラントを施工する際に、建物の「用途変更」は必要なんですか?

植物工場は建築基準法では「工場」としてみなされるので、その他の用途から変更して設置する場合は対象地域の行政へ確認が必要です。ただ、従来は100㎡を超える場合の「用途変更」で「確認申請」が必要だったけれど、法律の改正で200㎡以下は「確認申請」が不要となりました(関係する行政への事前確認は必要です)。これは小規模で展開可能な、「G Line」のプラントのメリットが活かせますね!他では約1500㎡~3000㎡程度の規模のものもありますが、G Lineのプラントは100㎡~300㎡と、かなり小規模になっています。

250㎡程度のレイアウト例

小規模プラントの規模とメリット感はイメージできました!実際、G Lineにプラントのお問い合わせが来ている案件はどんなものが多いんですか?

倉庫(鉄骨)の跡地を活用したいという相談や、中には4階建てのテナントビルの中で施工したい、などのお問い合わせがありますよ!

4階建てのテナントですか??!

階で機能を分けて、プラントから収穫した梱包する部屋を4階にする案もでました。他の階で育てて、エレベーターで梱包する階へ運びます。

テナントを活用できるのは良いけれど、プラントをどうやって運営するんですか?

いくつかの企業さんが協同して、スタッフさんの新たなお仕事をつくり、収穫した野菜を自分たちのビジネスや、従業員さんへの福利厚生に還元していくといった取り組みも考えられますね。

なるほど。いろいろな活用方法が考えられますね!

中には東京都内のマンションの1室を活用して、都会で特に葉物野菜の価格が高騰する時の安定供給のビジネスを展開しようと考えていらっしゃる方もいます!天候に左右されずに野菜が提供できることは、世の中にとってもうれしいことですよね。

みんなの使っていない土地や建物で、栄養たっぷりのお野菜を作れる環境ができることは、お野菜が大好きななみえもうれしいです。所長、前川さん、ありがとうございました!

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